資産形成シミュレーション
Twitterにはすごい人たちがたくさんいる。
金融資産を何千万も(あるいは何億も)持っていたり、不動産を何棟も運用していたりすることが普通なのだと思ってしまうほどに。
年収が何千万とかもゴロゴロいるわけだが、年収300〜400万の人たちもすごかったりする。
プロフィールに2年で資産1000万とか、32歳で資産3000万とか書いている。
私は昨年新卒として社会に出て年収は350万だった。
私は(例えば10年以内で)どれくらいの金融資産を形成することができるのだろうか?
簡単なモデルで計算してみる。
n年後の金融資産w(n) [万円] について以下の漸化式を立てた。
w(n)=(y+1)(w(n-1)-e(n))+12(i(n)-c)+b(n)
w(0)=100
y [-]:年利回り
e(n) [万円/年]:イベント費用
i(n) [万円/月]:給与(手取り)
c [万円/月]:生活費等
b(n) [万円/年]:賞与(手取り)
初期値は100万円とした。
年利回りy、生活費等cは一定とする。
イベント費用e(n)は、旅行やレジャーなどの費用を年初に引いておくとする。
給与i(n)、賞与b(n)は正確には分からないが今回は以下のようにしておく。
0<n≦10である程度妥当だと思う。
i(n)=n+16
b(n)=n+55
Excelでいろいろと適当に計算してみると、以下の結果が得られた。
ただし、c=8.3(生活費7万円、奨学金返還1.3万円)、e(n∈{1, 2, 3})=30(旅行など)、e(4)=240(家を買う)、e(n∈{5, 6, 7})=60(旅行、ローンなど)とした。
計算を簡単にするためだが、普段の生活費は30歳を過ぎるくらいまではけっこう節約するといった想定だ。
w(3)=530.8(27歳:家を買う前年)
w(7)=988.5(31歳)
y=0.03(投信の期待収益率より設定)のとき、
w(3)=548.9(27歳:家を買う前年)
w(7)=1070.5(31歳)
31〜32歳で資産1000万円を形成できるという結果になった。
しかしながら、年利回りの違い(0.1%に対して3%)については3年で+3.4%、7年で+8.3%とそれほど大きな差ではないと感じた。
複利の効果は指数関数的に現れるから、数年程度での増加率は知れている。
積立方式であるからなおさらだ。
この資産に手をつけないならもっと先の未来まで計算してみてもいいが、そうとは限らないことから、ある程度正確な見通しをするならこれくらいが限度だと思う。
ここではあまり多くの結果を示さないが、この試算から分かったことはいくつかある。
ひとつはさっきも言ったように、複利の効果は限定的であり利回りの数%を考える意味は薄いということ。
普通預金だろうが定期預金だろうが投信だろうが、数年オーダーではほとんど差異がない。
簡単に決めてしまったほうが良いのだろう。
次に、使ったら減るということ。
これは字面以上に重要なことだった。
本当に簡単に減っていく。
支出コントロールは重要だと感じた。
もうひとつは、計画を守れば30歳過ぎで普通に1000万円台に乗るということだ。
計画を確実に実行することである程度の資産形成は実現できるということが分かった。
これ以上を目指すかどうかは今回は触れないでおくことにする。
また、細かい計算も面白いだろうが、簡単に試算してみる、計画を立てる、実行するというステップを踏む。
そしてたまに計画を達成できているかざっくりとフィードバックすればいいだけで、あまり頭を抱えて悩む必要はないのかもしれない。